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【HQ】初恋に溺れて息ができない【影山飛雄】

第21章 影に隠した秘密


そして放課後、私たちはいつものように3人で教室を出た。3組から「影山くーん」という声が聞こえて、思わず覗くと飛雄は机に突っ伏して眠っていた。

「…まさか王様、寝てる?」

「あんなに寝るなって言われてて?」

『まじかぁ』

すると、飛雄の机を囲うように立つ女子たちはスマホを飛雄に向けてシャッターを切っていた。

「やった、影山くんの寝顔ゲットー!」
「まつ毛長いね」
「いつもはカッコイイのに寝顔可愛い」


私たち3人は見て見ぬふりをしてそそくさと立ち去った。


『「「………」」』


「…ねえ見た?ってか聞いた?」

「山口触れるんだ」

『私たち記憶から消そうとしたのにねぇ?』

「ねぇ?」

「いや、だって衝撃的すぎるじゃん!俺さすがにあれをスルーできるスキルないよ!」

「王様の女子人気なんて興味無さすぎて考えたこともなかった」

「たしかに!…でも、バレー部のあの子は影山のこと気になってる感じじゃなかった?」

『あ、キジマさん?』

「そうそう」

「僕も思ってた。なんか体育の時もすごい絡みにきてたし、そのせいで王様もキジマとはどうなんだっていじられてたもん」

『そうなんだ…それは大変だね』

「あ、そういえば球技大会のとき山野さんたちも影山のことカッコイイって言ってたよ!」

『えっ!そうなの!?』

「うん!ね、ツッキー」

「言ってた言ってた、なんかキリッとしててクールだって…まあ僕らからしたらただのキリッとしたバカなんだけど」

『っははは!イメージダウン!……あっキジマさんといえばさ、例の噂の件で女バレに怒ってくれてありがとね、あれすごく嬉しかったよ』


「ああ別に…こっちが勝手に腹立ってただけだから」

「根も葉もない噂ってこういうことを言うんだって思った、鈴木よく堪えたね」

『頑張って気にしないようにしてきたんだけど、怒ってくれる人がいるってわかったら心強くてさ…今はどうでも良くなったの、本当にありがとう』

「そう、良かったじゃん。鈴木がバレー全く知らないとか言い出したヤツ、勧誘断って男子に混じってプレイしてるなんて知ったらビビり倒すんじゃない?」

「言えてる!」



そうこうしてる間に私たちは部室に着いて中に入った。

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