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【HQ】初恋に溺れて息ができない【影山飛雄】

第21章 影に隠した秘密


──月曜日。

今日から部活動停止期間に入った。期間としては今日の朝練からテスト最終日の朝練までが停止となるようで、昨日の最後のミーティングでは体育館に忍び込んだりすることのないようにと武田先生のメガネが光っていた。


『…おはよ』

「おはよ、え何どうしたの?」

机にカバンを置いた私をツッキーは驚いた顔で見た。それもそのはず、朝練がないからという理由で朝から飛雄の対人パスに付き合っていた私は見るからにぐったりとしていた。


『へへ、ちょっとね』

「朝練もないのに」

『だからこそなんですよ…』

「?」



すると、私のスマホがブルッと震える。


ポケットから取り出して見てみると、一通のメールが届いていた。そのメールを読んだ瞬間、朝の疲れが一気に吹っ飛んでいくのがわかった。


『わっ、やったあ!』

「何!?…キミ情緒不安定なの?」

『はは、ごめんごめん』


そのメールは先日とある協会へ問い合せたことに対する返信だった。



「そういえば鈴木、今日放課後部室行く?」

『あ、勉強会だっけ?みんないるかな』

「清水先輩は分からないけど他はいるんじゃない」

『ツッキーたちも行くなら行こうかな』


勉強不安組が家でちゃんと勉強するかすら心配ということで、澤村先輩が部室で勉強会をしようと提案してくれた。勉強不安組に教えることが目的ではなくて、各々自由に勉強する時間に使って良いということだったので私は内心ホッとした。

もう飛雄とあんな喧嘩したくないしね…。


そういえば昨日の帰り、飛雄の様子がいつもと違った気がする。国見くんのことで心配かけちゃったのは大きいと思うけれど、まさかあんなこと聞いてくるとは思わなかった。そもそも私たちは普段恋愛に関する話を全くしないから、妙な気恥しさがあった。

飛雄も好きな人としたいんだ…っていやまぁそんなのは当たり前のことだと思うけど、私はこれまでに飛雄の好きな人の話を聞いたことがなかったから、実際のところあまり想像が出来なかった。

飛雄は好きな人が出来たことあるのかな…。




「はーいおはよう、朝礼始めるぞ」

「起立」


号令にあわせて、私たちはガラガラと椅子を鳴らしながら立ち上がった。


「礼」


「「『おはようございます』」」


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