第20章 されど空の青さを知る
すると、まだクールダウン中の日向くんに今度は私が話しかけられた。
「鈴木さーん!」
『はい!』
「鈴木さんって影山と同中じゃん?影山の幼なじみってどういう子なの?」
「日向っ!お前いい加減にしろよ!」
「だって気になんべよ〜!」
非常に気まずそうな飛雄の顔、私は笑いそうになりながら久しぶりにこの言葉を使った。
『私、影山くんのこと全く知らなかったんだよ?誰が影山くんの幼なじみかなんてわかるわけないじゃん!』
「あー!言われてみればそっか」
「それにしても影山、ホントもったいねえよな!学校行くだけで中学の制服姿の鈴木が毎日見放題だったのに」
「サブスクっぽく言うのやめろ、田中」
「…学校で見たことないっスけどね、鈴木さん」
『私もだよ。影山くん、本当に北一にいた?』
「鈴木さんがな」
「おーなんか久しぶりに見たな、このやり取り」
クスクスと笑いながらボトルを持って出ていく潔子先輩が目に入って、私も笑いながらその後を追いかけた。