第20章 されど空の青さを知る
涙が熱くて、喉がキュッと詰まるような感覚。
『…もう、わからない…っ、わたし、ずっとここが痛いの…』
「……」
『別に…飛雄が誰を頼ったって私には関係ないのに、飛雄は何も悪くないのに…っ…なんだかちょっと嫌な気持ちになって…ここが痛くなる……谷地さんは、いい子だから…っ頼りにされて当然で…っ、それに比べて私は…飛雄にわがまま言うし…迷惑ばっかりかけるから仕方ないのに…なんか最近、…私、変で……おかしい…っ』
「…………美里」
『っ…ん?』
パパに名前を呼ばれて私が顔を上げると、カシャッとスマホのシャッター音が鳴った。
『…パ、パ?』
「いや…さすがに、可愛い娘をここまで泣かせたあいつが許せねえなと思ってさ」
そう言ってパパは、スマホを睨みつけながら何かをし始めた。