第20章 されど空の青さを知る
すると、パパは隣に座って私の頭を撫でてくれた。
「美里は、なにが悲しかったんだ?」
『…ん?』
「集中できないって言われたこと、その理由が理解出来ないこと…色々あるだろ?」
『……私、何か困ったことがあるとすぐに飛雄に助けてって言っちゃうんだけど…飛雄はそうじゃないんだなって思ったらなんか悲しかった…』
「うん」
『しかも飛雄は他の…まだ出会ってほんのちょっとしか経ってない人を頼りにしてて…、私は飛雄にとって頼れるほどの存在じゃないんだなって…すごく悲しくて』
「……よしよし」
『そもそも勉強なんて私、元々好きだったわけじゃなくて…小学生の時、先生に手を挙げて教えてもらってる飛雄を見て、私が教えてあげられたらなって思ったから今まで一生懸命頑張ってきたのに…』
「え?まさかそれで美里、ずっと勉強を?」
『うん』
「っ、おいおい…そんなの初耳だぞ!?」
『でも教えられたのは中学の数回だけで、それも途中で断られちゃったから結局意味なかったんだけどね』
「あー…いや、それは…」
『でもそういうの、私が勝手にやってきたことだってわかってて…ちゃんとわかってるのに…っ…飛雄からしたら迷惑だったのかもって思ったら…それはそれですごく悲しくて…っ私が、飛雄の力になりたくて、支えてあげたくて…将来通訳とか、栄養士とか…っ、そういうのも全部、ほんとは飛雄…迷惑に思ってるのかもって…っう、ぅ』
また涙が溢れ出す。
今度はさっきまでとは違う涙。