第20章 されど空の青さを知る
谷地 side
「ありがとうございましたー!」
「「「アーッシタ!!」」」
相手チームがぞろぞろと出ていくのを私たちは見送っていた。すると、さっき試合に出ていた8番さんが振り返った。
「あの!…これ俺のLINE IDです」
『…あ』
「よかったら連絡ください、じゃ!」
ヒューヒューと囃し立てるような声が外から聞こえてくる。
「…ほんとモテるよな、鈴木はよォ」
コーチはそう呟きながら苦笑いをしていた。
「ん?これまでにも何かあったんですか?」
「ついこの前の試合では告白されてたの」
「俺たちの目の前でなー」
「ひゃっ…さすが鈴木さん!」
隣の鈴木さんを見ると、もらった紙には目もくれず小難しい顔をしてブツブツと何かを呟いていた。