第20章 されど空の青さを知る
谷地 side
「えっ、鈴木さん審判やるんですか?」
「ほんとだ…チーム内の試合ではいつもやってるけど、練習試合でやるのは初めてなんじゃないかな」
「審判って難しいんですか?」
「澤村…あ、烏野の1番から聞いたんだけどね、プレイヤーなら誰でも出来るってわけでもないみたい。審判は審判の知識とハンドサインが必要だから」
「え!?」
「でも美里ちゃん、あっという間に覚えてきちゃったんだよ。コーチが練習に集中出来るようにって」
「へぇ…すごい!」
ピーッ
鈴木さんの笛で試合が始まった。
「………っ!」
私は試合から目が離せなかった。
コートの中を駆け回る選手のみなさんも、
試合を司る鈴木さんも、
みんな、輝いていた。