第20章 されど空の青さを知る
うちと扇西高校とでコートを半分ずつアップに使う。私がベンチを整えていると西谷先輩に呼ばれた。
「おーい鈴木!」
『はい!』
「お前もレシーブ入ってくれ!」
『…え、っと』
私がコーチを見ると、コーチはさも当然のように頷いた。
『あっ、はい!』
「出来るだけ拾ってこい」
『行ってきます!』
スパイク陣の反対側に入り、私は西谷先輩の隣に並んだ。構えているとスパイクモーションに入った旭先輩の目が私を見た。そして強烈なボールが私の正面に飛んでくる。
ドッと音を立てて高く上がったボールに旭先輩は苦笑いをした。
「クソ〜取られた」
「旭さん!なに鈴木の正面打ってんスか!」
「目が合っちゃったんだよ!」
それからしばらくすると、大地さんから着替えを済ませるよう声が掛かった。