第20章 されど空の青さを知る
谷地 side
『谷地さん突然ごめんなさい。はじめまして、私は隣の4組の鈴木です。今日は…』
「………」
はわわ〜…私、鈴木さんのことこんなに近くで見るの初めてだな…可愛い…顔ちっさ…鼻の形綺麗…これ自まつ毛かな?長くてくるんってしてる…人形みたい…天使……声まで可愛い…これが噂の鈴木美里かあ…。
「美里ちゃん、ありがとう。谷地さん、私は3年の清水です。私たちバレー部のマネージャーをやってるんだけど…」
うへ〜…こっちの人も美人、3年生かあ…口元のホクロがセクシー…美人…髪ツヤサラ……周りの人、すごい見てる…そりゃそうだよね、こんなに美人2人が並んでるんだもん……いい匂いする〜…
「──なんだけど、まずは仮入部ってことでどうかな?」
「うへ!?……ハイッ!」
「『!』」
「ほんとう!?ありがとう!」
『潔子先輩、やりましたね!谷地さん、ありがとうございます!』
「うん!美里ちゃん、ありがとう!…あ、じゃあ放課後にまた来ますね!」
「……あ」
2人はくるりと背を向けて、歩きながら小さくハイタッチをしていた。キラキラと笑う2人に、周りの人は顔をポヤーッとさせている。私、今あの人たちと並んでたのか…。
「ちょちょちょ…やっちゃん!!」
「今、鈴木さんと話してたよね!?」
「え…私、話してた?」
「なんの話だったの!?」
「……それ、チラシ?」
「え?」
手元を見ると、いつの間に受け取ったのか “男子バレーボール部 部員&マネージャー募集” と書かれたチラシがあった。
「えぇえーっ!?」