第20章 されど空の青さを知る
そして放課後。
私は練習に参加する都合で、先に体育館へ来てアップを始めていた。潔子先輩のあの嬉しそうな顔が忘れられない。谷地さん、マネージャーになってくれたら嬉しいな…。
「おーっす、鈴木」
『あ、菅原先輩こんにちは!』
「なに、なんかいいことあった?」
『え?わかります?』
「すげー顔に出てる」
『えー!あったんです、いいこと』
「なになに?」
『えっとですねえ……』
「あの!ちょっといいかな!」
目を向けると、そこには少し緊張した面持ちの潔子先輩が立っていた。
『菅原先輩、あれです』
「え?」
『私のいいこと!』
そう言って、集まり出したみんなのところへ走って合流した。