第20章 されど空の青さを知る
『わっわっわっ!ツッキー、潔子先輩だ!』
「呼んでるんでしょ、早く行きなよ」
『潔子せんぱーい!』
私が駆け寄ると潔子先輩はにっこり微笑んで「美里ちゃん」と名前を呼んでくれた。
「月島、隣の席なんだね」
『はい!今ツッキーとテスト勝負に何を賭けるか話してて…って、そんなことより何かありましたか?』
「ううん、5組で部活に入っていない子がいるって聞いたからこれから声を掛けに行くんだけど、教室の前通ったら美里ちゃんが見えたから」
『わあ、わざわざ私にも声を掛けてくださったんですか!嬉しいです』
「なんか…鈴木さんといると、いつもより視線がすごいな」
『視線ですか?』
周りを見ると、他のクラスの人がチラチラと私たちを見ていた。
『ああなるほど…それは潔子先輩が美人だからですね』
「え」
『つい見ちゃう気持ち、わかりますもん』
「…いや、私じゃないと思うんだけど」
『そういえば5組に行くんですよね?私、声掛けましょうか?』
「ほんと?ありがとう、助かる」
すぐ隣にある5組のドアの前に着いて中を覗く。
『なんていう子ですか?』
「えっと…谷地仁花さん」
『谷地さん…体育は一緒じゃないなあ…』
「…っ鈴木さん!?…だ、誰探してる?俺呼ぼうか」
『あっ、ありがとうございます!谷地さんってどの子かな?』
「谷地さん?…あ、いた、谷地さん!ちょっと」
「ん?………ほぎゃっ!?」
パッとこちらを向いたのは小柄で可愛い金髪の女の子だった。