第20章 されど空の青さを知る
キーンコーンカーンコーン…
『んん〜っ!』
授業が終わり、私は思いきり伸びをした。
「随分とお疲れのご様子で」
『あはは、朝練がね…』
「そりゃ朝からバケモノサーブ連発したら疲れるに決まってるデショ、ほどほどにやんなよ」
『だって、もっとみんなの力になりたいからさ…』
「もう十分だと思うけど」
『いいや、まだまだ!』
「まぁ僕としては、キミが部活でヘロヘロになって勉強を疎かにしてくれるとありがたいんだけど」
『あ!テスト勝負覚えてたんだ!どうする?肉まん賭ける?』
「また肉まん?好きだよね」
『えーじゃあ違うのがいいかな…えっと』
「鈴木さーん!」
私の元に山野さんがパタパタと駆け寄ってきた。
『山野さん、どうかした?』
「なんか、美人の3年の先輩が鈴木さんを呼んでほしいって!」
『えっ?』
振り返って教室のドアを見ると、そこには潔子先輩がいた。