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【HQ】初恋に溺れて息ができない【影山飛雄】

第20章 されど空の青さを知る


菅原 side

『このままの不等式だと分かりにくいので、左辺から右辺を引き算して変形しますね。ab + 2 - (2a + b) これを展開すると、ab + 2 - 2a - b で、さらにもう少し整理すると、ab - b - 2a + 2 になります。それで、もう少しだけわかりやすくするために共通の項を見つけて因数分解すると、bでくくれる部分が出てくるのわかりますか?それをくくると、ab - b - 2a + 2 = b(a - 1) - 2a + 2になります』

「………」

みんなして身を乗り出すように鈴木を見ているけど、内容を聞いてる人は一体何人いるのだろうか。


…綺麗な指先、美しい文字、長いまつ毛、ツンとした鼻、ほんのりピンク色の頬、ぷくっとした唇、鈴のように澄んだ可愛い声…


俺に至ってはそんなところにばかり意識がいってしまった。こんなに鈴木の顔をまじまじと見るのは初めてのことだ。これでも最初より大分慣れてきたけど、改めて見てもやっぱりすげー可愛い。



「……ッ」



完全に鈴木に見惚れた俺は、ゴクリと唾液を飲んだ。



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