第20章 されど空の青さを知る
部室の外に出ると、バタバタと誰かが2階から降りてくる音が聞こえた。潔子先輩と不思議に思って見ていると、それは飛雄と日向くんだった。
「自転車っ!」
そう言って走って駐輪場に向かった日向くんを、飛雄は目で追っていた。そして、ふとこちらに目を向けると不機嫌そうな顔をして近寄ってきた。
「…お疲れス」
「お疲れ」
『何バタバタしてたの?』
「………」
『影山くん、大丈夫?』
「かげやまっ!早く行こーぜ!」
シャーッとタイヤを回して日向くんが近くまで戻ってきた。
「……行くぞ」
『え?』
「月島ンとこだよ!」
『…ツッキーのとこ?』
そう言って飛雄は大股で歩き出した。私は潔子先輩に頭を下げて2人を追いかけた。