第20章 されど空の青さを知る
「狼狽えるな!」
ハッと声の方に顔を向けると澤村先輩は飛雄たちに喝を入れていた。
「テストまでまだ時間はあるんだ…このバカ4人抜きで烏野のMAXが発揮できるか!?いやできない!」
「嬉しいような悲しいような」
「…やってやる、全員で…東京行ってやる…!」
『ヒッ』
「目ェ据わってる!」
「こわい!」
その後、私と潔子先輩は部室で制服に着替えていた。
「美里ちゃんは勉強の心配いらないもんね」
『そんなことないですよ!初めてのテスト不安です』
「大丈夫よ、美里ちゃんなら。…大丈夫といえば、あの4人に澤村がガッツリ言うって言ってたけど無事かな」
『ある意味期待を裏切らないメンバー構成でしたね』
「影山って全然頭悪そうに見えないんだけど、昔から勉強ダメなの?」
『う〜ん…勉強を頑張ってるイメージは全くないですね、テスト前の部活停止期間も暗記系だけやって、あとはボールばっかりいじってましたから』
「こんなに頭のいい子が近くにいるんだから、教えてもらえばいいのに」
『何回かそういう機会もあったんですけど、私に教わるのが嫌みたいで…多分私、教えるのが下手なんだと思います』
私がそう言うと潔子先輩はおかしそうに笑った。
『あっ…そんなことより潔子先輩、ここ最近心配ばかり掛けてしまってすみません』
「ううん…私ね、美里ちゃんがマネージャーの仕事も練習も一生懸命頑張ってくれてすごく嬉しいの。でもやっぱり美里ちゃんはどっちも手を抜けない性格だって知ってるからこそ心配で、私には何が出来るかなってずっと考えてた」
「そんな!」
「それでね…実は今、新しいマネージャーを探してるの」