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【HQ】初恋に溺れて息ができない【影山飛雄】

第20章 されど空の青さを知る


練習が終わって、武田先生が集合をかけた。


「えーオホンッ…とりあえず当面のスケジュールを伝えます。確定したら表にして配りますね」


「…なんか武ちゃん元気なくね?」

「そうか?」

「なあ?」

『はい…たしかにそんな気も』


「まずは再来週末、県内の日山高校と練習試合が決まっています」

「「「おおーっ」」」



「──で、例の東京遠征ですが向こうのIH予選は昨日言った通り今週末からです。宮城は3日連続で決勝まで行われましたが向こうは3週に渡って日曜に試合が行われます…ので合同練習は予選のあとになりますね。遠征の場合、親御さんの了承も必要だからこれもあとで書類を配るね。……ただ、」


「「「?」」」


武田先生の雰囲気がそこからガラッと変わった。眼鏡の奥の優しげな目が反射してよく見えない。



「来月になったら、期末テストあるのわかるよね?」


「「「………」」」




「わかるよね?」





私の目の前に座っていた一部メンバーが、武田先生からフイッと目を逸らした。


『えっ』


「テスト期間は向こうともだいたい一緒らしいので合同練習はそれの後…ということです。
──で、予想ついてるかもしれないけど、赤点で補習になる教科がある場合、補習は週末だから東京遠征は

行けないからね」




視界に入る飛雄と日向くんがマナーモードのように震えだして、田中先輩と西谷先輩はどこかへ走って行ってしまった。

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