第19章 能ある烏は翼を隠す
月島 side
「バレー部2人でいいのかよ」
『だってこれで繰り上げ優勝なんて嬉しくないもん。私たち、ちゃんと勝って優勝したい』
影山に向かって凛とした表情で言う鈴木に、今度は他の先輩たちも笑顔になった。
「はは!さすがうちのマネージャー!」
「鈴木、度胸あんな…」
「東峰も見習ってみたら?」
「清水…っ!」
「まぁお前ならそう言うと思った…けど、ちゃんと他の人にも確認しなさいね」
『あっ、はい!…みんなごめん、“私たち” とか勝手に纏めちゃったんだけど、みんなはどうかな?』
「ふふ!いいよ、鈴木さんが言うなら!」
「私もー!」
「せっかくここまで勝ってきたしね」
「負けたくなーい!」
「それな!」
嬉しそうに笑った鈴木は影山を見た。
『影山くん、みんなの同意を得ました』
「おう……じゃあ杵島さん、ドウゾ」
「ドウゾってなんだよ」
「クイズの司会者か」
「影山、女子に慣れてないみたいで」
「だははは!影山、あいつ女子にはあんな感じなのかよ!」
「田中さんも似たようなものじゃないですか」
「月島、このやろ…今は鈴木バリアは無効化されてるからな!」
「いった…やめてください!」