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【HQ】初恋に溺れて息ができない【影山飛雄】

第19章 能ある烏は翼を隠す


月島 side

「王様、審判なんてできるの?」

「あ?日向に出来るもんは俺にもできる」

「なにその低レベルな判断基準、大丈夫?」

「うっせえな!さっきもやれてんだよ!」


「もし分からなくなったら私が代わるね!」

「……ッス」



このコート最後の試合は女子の3組vs4組だった。3組にはサッカー部の女子マネージャーが3人いるらしく人数調整の関係で、リベロとしてバレー部が1人入っていた。王様にやたら話しかけている人もバレー部らしいけど、この人はあくまでも外野らしい。

どちらもここまで全勝で、これがいわゆる決勝戦だ。3組は女子の他種目がまだ終わっていないのか、男子の応援しかいなかった。


「え、あの子が鈴木さん?」
「ホントに可愛いんだね、私初めて見た!」
「鈴木さんってあの顔で満点入学なんでしょ、やば」

こっちの学年性別問わない集団は鈴木を見にきたと言って間違いなさそうだ。


「おーい、鈴木ーっ!」

「応援きたぞー!」

「ド根性見せたれー!」


2、3年のバレー部も集合している。


『せんぱーい!ありがとうございます!』


「あの人たちバレー部の先輩?」

『うん!』

「そうなんだ、やっぱり大きくて迫力あるね」

「でもね、みんなすごく優しいんだよ!」


鈴木の言葉を聞いた先輩たちはものすごく恥ずかしそうで、ものすごく嬉しそうだった。閉会式も近いからか、外野が増えてきたので先輩たちもゾロゾロと僕ら審判側の位置にやってきた。



「じゃあ…その、じゃんけんでサーブを」



女子慣れしていない王様、マジで最高に面白いんですけど。



案野さんと3組の人がじゃんけんをして4組はレシーブになった。





ポーンと3組の人がサーブを打つ。
女子の球はやっぱり弓なりでゆっくりだ。



それを案野さんがレシーブして鈴木が高く上げる。





ぱしんっ





山野さんがそれを相手コートに返すが、向こうのレシーバーはバレー部で、レシーブに手加減がない。だからこそ3組はここまで全勝でこれたのだろう。


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