第19章 能ある烏は翼を隠す
その後、4組は主にツッキーと山口くんの活躍で3組に勝利した。
『おめでとう!2人ともすごかった、経験者?』
「いや、ツッキーの家にバスケットゴールがあってさ、昔よくやったんだよね」
「うん」
「お家にバスケットゴール!?月島くんちすごっ!」
「兄貴が小学生のころバスケやってて、それで」
『へえ!ツッキー、お兄ちゃんいるんだ』
「鈴木もだよね」
『うん』
「そうなんだ、絶対どっちのお兄ちゃんもイケメンでしょ!」
『えー、どうかな…身長は高めだけど、顔はわからない。似てるって言われるけど』
「…無敵じゃん」
『え?』
「身長何センチなの?」
『184センチだったかな?』
「え?なに、どっちが突然変異?」
『父が185センチで背が高いんだよね、お母さんは私より少し大きいくらいなんだけど』
「ねえ、まって!入学式で背の高いイケメンのお父さんが2人並んでたってお母さんが言ってたんだけど、そうじゃないの?」
「それ俺んちも言ってたなぁ、なんか号泣してたって」
「入学式で号泣…?ますます鈴木のお父さんぽいんだけど」
『それ悪意がありませんか?』
「でも2人って…あともう1人誰のお父さん?」
「…さあ?」
『えっ…ま、まってよ!その人、うちの父じゃないかもしれないし、まあ…もういいじゃん!とにかくおめでとう!ぱちぱち!試合後すぐで申し訳ないんだけど、山口くんは日向くんと審判代わってあげて!』
「あっ…わかった!」
『……ふぅ』
それ、多分もう1人は飛雄のパパだ。