第18章 フラストレーション
体育館の近くにくると、ターンターンというボールが跳ねる音が聞こえた。
ガラッ…と扉を開けて中を覗くと、
体育ジャージ姿の飛雄と目が合う。
「………」
『美里、体育館』
両親指で自分を指す。
「付き合え」
『いや、LINE再現したんだからそこ触れてよ。てか私制服なんだけど…着替え部室だし』
私がそういって体育館シューズを履いていると頭の上に布が飛んできた。手に取ってみると、それは飛雄の部活ジャージのズボンだった。
「紐ギュッてしたらいけんだろ」
試しにスカートの下に履いてみると、やはりゆるゆるのダボダボ。飛雄の言う通りに紐をギュッとするとウエストは何とかなった。こんなの履いて引きずらないなんて…目の前の男の足の長さを羨みながら、私はクルクルと裾を巻き上げる。
「お前、足短えな」
『くぅーっ!腹立つ』
すると、飛雄は無言で私にスパイクを打った。私は慌ててそれを受けて飛雄に返す。