第17章 IH予選 2日目
その言葉を聞いた途端、私の視界がグラグラと揺れ出して、ダムが決壊したかのように涙が溢れた。
『……っう、ぅう…わたし、失礼だとおもったんです…みんなが、必死に戦ったのに…その結果に悔しいと思うなんて…泣くなんて…っ』
「…だから明るく声を掛けてくれたのか」
『……っ…』
「でも鈴木、失礼なんて言うな」
『!』
「…鈴木が悔しく思ってくれて嬉しい、俺たちを思って泣いてくれて…すげえ嬉しいよ」
『……えっ…?』
「だって…それがチームで、仲間だろ?」
『さわ、むら先輩…』
「でも…みんな思うことはひとつだよな?」
するとみんなは力強く頷いた。
「鈴木、もう泣かせないから」
みんなの顔は前向きな晴れ晴れとした顔をしていた。
『!…うぅやっぱり、及川さんよりも烏野の方がガッゴイイでず…っ』
「ッハハ、あれ及川ファンもビビったろうな〜!」
「すげえきたねえ声でした」
「影山はそういうこと言うんじゃないの!」
『わたじ、自分に出来ることは…なんでもやります…だからこれからもよろしくお願いじばず!』
「美里ちゃん、よろしくね」
『ぎよごぜんばい…っ!』
「清水の名前にこんなに濁点つけるやつ鈴木くらいだろうな」
「「ぎよござん」」
「お前らは張り合うな!」
「ちょ、鈴木きたなっ…鼻水」
『うるざい、ヅッギー…!』
再び私が顔を覆うと、みんなも笑いながら少し泣いていた。