第17章 IH予選 2日目
急いでバスのところまで行くと、コーチは外でタバコを吸っていた。
『お待たせしてしまい、大変申し訳ございませんでした!』
私が頭を下げると、コーチは笑いながら火を消した。
「いーや、この後飯食いに行くんだけどよ、約束の時間までまだあったからどの道待機だったし問題ねえよ……で、大丈夫だったか?」
『すみません大丈夫です…どうもありがとうございます』
バスに乗ると、先に乗っていたみんなが一斉に私を見た。
『さ、先ほどは大変失礼しました!』
私が頭を下げると、車内にはなんとも言えない空気が漂っていた。
「みんな、美里ちゃんが青城の13番になんて返事をしたのか気になるんだって」
『えっ…あ、ごめんなさいと返事しました』
はぁー、と長いため息がいくつか聞こえる。
「そうでしたか、いやぁ〜聞いていて気持ちの良いくらい、実に直球勝負な告白でした」
『びっくりしましたけどね』
「でも俺は負かしたその日に負かした学校のマネに告るという、あいつの性根が気に食わねえ」
「…同感でーす」
「おぉ、月島と初めて同意見」
それから10分ほどして、バスが動き出した。