第17章 IH予選 2日目
「…別に今日試合に勝ってハイになって言ってんじゃないからな。本当は中学の卒業式で伝えるつもりだったんだし」
『うん、わかってる…』
「それならいいけどさ」
『あの、私ね…本当に恋愛がわからなくて、国見くんが私を好きだってわかったときもその気持ちに向き合うのが怖くて逃げてたんだと思う』
「うん」
『今までよく知らない人から告白されたことはあったけど、仲の良い人に好きって思ってもらうのは初めてで…正直どうしたらいいのかわからなかったんだ』
「…そう、だったんだ」
『だからこそ私、きっと国見くんのことを余計に傷付けちゃったと思う…本当にごめんね』
「向き合ってくれるの?」
『うん、ちゃんと向き合う。向き合った上で…ごめんなさい、何度も考えたけどやっぱり国見くんは私の大切な友達なんだ。国見くんのことは大好きだけど、私の好きは国見くんの気持ちに応えられる好きじゃない、本当にごめん』
私がそう言うと、国見くんは苦しそうに笑った。