第17章 IH予選 2日目
私はトイレで顔を洗い、鏡を見る。
…目も腫れてないし、赤くない。
これならバレない、大丈夫だ。
悔しいのはみんなだ、
苦しいのはみんなだ。
よし、と頬を叩いて私はみんなの元へ向かった。
途中で潔子先輩を見つけた。
『潔子先輩、お疲れ様です』
「美里ちゃん…外でミーティングになったよ」
『…はい!わかりました』
外に向かうと、みんなは水道で汗を流してきたのかびしょ濡れだった。
「あ…」
『みなさん、お疲れ様でした』
「…鈴木、すまん」
『!…っな、何言ってるんですか、みなさん今日もすごくかっこよかったですよ!私の声届きましたか?』
「…ああ、届いたよ…サンキューな」
『よかったです…それよりみなさんびしょ濡れじゃないですか!汗もかいてるんですし、早く拭いて着替えてください!』
「はは…わかったよ」
辺りを見回すと飛雄と日向くんの姿がないことに気が付いた。
『潔子先輩、』
「影山と日向、見てきてくれる?」
潔子先輩を見ると、私に小さく頷いた。
『…はい』