第17章 IH予選 2日目
ピッ
ピピーッ
31-33
勝者:青葉城西高校
スローモーションで動く最後の瞬間が、永遠に終わらないかのようにその場から動けなくなった。
青城の歓声も拍手も、どこか別の世界のものみたいだ。
「整列ッ!」
横断幕の前に並んだみんな。
「ありがとうございました!」
顔を上げた飛雄は、一瞬だけ私の顔を見た。
「……ッ、」
そして、キュッと唇を噛み締める。
『………っ!』
飛雄たちが振り返るのが先か、私がしゃがみこむのが先か…
どうか、前者であってほしい。
本人たちが気丈に振舞っているのに、
崩れたところを見せるなんて失礼だ…
だからどうか気が付かないでいてほしい。
『…っう、ぅ……!』
私はその場にしゃがみこんで泣いた。
スコアにポタリポタリと流れる涙がインクを滲ませる。
嶋田さんと滝ノ上さんは、私の頭をくしゃりと撫でて立ち去った。