• テキストサイズ

【HQ】初恋に溺れて息ができない【影山飛雄】

第16章 IH予選 初日


階段を上がって烏野側のスタンドに向かうと、見覚えのあるジャージが目に入った。


『えっ…』


青葉城西高校だ。


どこで試合を観るか悩んで動けずにいると、突然背後から声を掛けられる。


「あの〜」


振り返ると知らない高校の人たちだった。


『…はい?』

「キミ、超かわいーなと思って!」
「マネージャー?」


『………』


「LINE教えてよ」
「バレーのルールわかる?LINE教えてくれたらルール教えてあげるから」


今日、こんなのばっかりだ。
みんな何しにここに来てるんだろう。


「ねえねえ」
「おねがい!」



『烏野高校』


「…えっ?カラスノ?」
「それがなに?」


『絶対に覚えてください』


「うん、覚える覚える!」
「だからさ、LINE…」


『皆さんと違って、本気でここに勝ちに来ているチームの名前です』


「……え、」
「………」





「へえ、言うねぇ」



突然肩に手が置かれて振り返ると、そこには及川さんが立っていた。それだけじゃない、青城のほかの皆さんもこちらを向いていた。


「せ、青城の及川…」
「やべっ……他もいる」


すると、及川さんはその人たちのジャージを見て嬉しそうに笑った。


「わ〜、千川北?もし大岬にキミらが勝ったら、ウチと当たるじゃん」

「いや……えっと、」

「勝ち残ってよ、絶対」

「………」


「二度とこの子に声掛けられないくらい、バッキバキに叩き潰してあげるからさ」



「………ッ、」



その人たちは、何も言わずに走り去ってしまった。


/ 642ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp