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【HQ】初恋に溺れて息ができない【影山飛雄】

第15章 そして、走りだす


みんなが部室に戻っていくのを確認して、私はスマホでLINEを開いた。



《飛雄おつかれ、今日は用事があるから先に帰っててね》



それだけ送って、スマホをしまう。





「美里ちゃん、行こうか」

『はい!』



私たちは第1体育館へと向かった。











「…よし、今日はもう遅いしここまでにしようか」

『はい!…それにしてもすごいですね、これ本当にかっこいいです』


私は目の前の真っ黒な横断幕を撫でた。


「前の強かった時代に使ってたんだろうね、前に部室の奥の方を掃除した時に見つけたんだ。ほつれてるところもあるけど、美里ちゃんがお裁縫も得意でよかった」

『へへ…マネージャーになってから中学時代の部活で学んだことがたくさん活かせて嬉しいです』

「そういえば言ってたもんね、家庭科部」

『はい、こんなに大きなものを縫ったことはなかったので楽しいです!』


「そういえば気になってたんだけど、美里ちゃんがバレー部のマネージャーを選んでくれたのは、やっぱり影山がいるから?」

『はい、最終的に入部を決めた理由は…影山くんがいるからですね』


「詳しく聞いてもいいのかな」


『もちろんです、聞いていただけるのなら』


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