第14章 “ネコ” と “カラス” の対峙
「ライト!」
「えっ…烏野のセッターがトスを呼んでる?」
「……あれは、」
ズドッ
「オイ、今のがストレートだからな!サイドライン沿いまっすぐ!ちゃんとコースの打ち分け出来るようになれよ!」
「うぐぬ〜」
「すっごいですねーっ!烏野高校のセッター!」
「あぁ」
飛雄はすごい、本当にすごい。1人で全てのポジションが出来てしまうようなポテンシャルの高さは、素人目に見ていてもビリビリと皮膚が震えてしまうほどの派手さがある。
『…でも、孤爪さんもすごいですよね。トスを上げるネットのこっち側よりも、向こう側に対する意識が強くて…それなのに無駄な視線移動がない』
「……」
『仲間に対する信頼が強いのでしょうか?』
「フフ…そうだな、孤爪は自分に対しての自信が地ほどに低い。だからこそ信じているんだ、周りがなんとかしてくれる、足りない自分を補うのは仲間であると」
音駒が20点の大台に乗ってしばらくしたとき、私はあることに気が付いた。