第14章 “ネコ” と “カラス” の対峙
一旦烏野ベンチに戻ると、ユニフォームに身を包んだみんながアップをしていた。
「鈴木さん、またあっち行っちゃうの?」
『うん、音駒ベンチで勉強をさせてもらうことになったよ!』
「そっか」
「キミ、鈴木がいるほうが頑張れるのにね」
「なっ…月島だってそうだろ!?」
「別に?僕は誰が見ていようが変わらない」
「あっそ!!」
「まあ、この前みたいに敵を応援されるのは腹立つけどね」
『ご、ごめん…つい』
「俺たちのこと応援しててよね!」
『うん、もちろん!』
ピーッ
審判を担当する直井さんが大きく笛を吹いた。
両チーム、それぞれのベンチへ集まり始める。
私は音駒ベンチへと向かう途中で意を決して振り返った。
『みなさん、ユニフォーム姿もすごくカッコイイです!…応援してます、頑張ってください』
「「「「ウォオオース!」」」」
先輩たちと日向くんの大きな声が体育館中に響いた。