第14章 “ネコ” と “カラス” の対峙
荷物を取り出して烏野のベンチを整える。
それぞれのタオルOK、飲み物OK、作戦ボードOK、救急箱OK…。
チラッと音駒高校のベンチを見たところ、マネージャーらしき姿は見当たらなかった。
「どうした、鈴木」
『あ、コーチ。私、先日の青葉城西高校との練習試合の時に向こうのベンチにサポートとして付いたのですが、今回も音駒高校のベンチに入った方がいいでしょうか?』
「…ん、ちょっと待ってろよ」
するとコーチは向こうの若い先生に話しかけに行った。そしてしばらく何かを話すとこちらを向いた。
「鈴木、来い」
『はい!』
「紹介する、俺とタメで今音駒でコーチやってる直井だ」
『はじめまして、マネージャーの鈴木です。よろしくお願いします』
「ああ、直井です。よろしく」
「鈴木、音駒はレギュラーメンツと補佐数人で来たらしい」
『補佐の方もいらっしゃったのですね、差し出がましいことを言いました…すみません』
「いや、お前は音駒ベンチに入れ」
『…え?』
「お前、まだマネージャー歴も浅いだろ?他校から学べることも多いはずだ」
『はい、わかりました』
「…とか言ってよォ、烏養」
「っるせえ!余計なこと言うな!」
「ハハッ、じゃあ鈴木さん試合始まったらよろしく」
『はい!よろしくお願いします』