第14章 “ネコ” と “カラス” の対峙
「美里ちゃん、重くない?」
『はい、ボールかごや重いものは他の1年生が持ってくれたので私は空のボトルだけでとても軽いです』
「そう、よかった」
「!?はぅああっ」
なんだか聞き覚えのある叫び声に目を向けると、音駒高校の方がこちらを向いていた。
『…あっ、』
潔子先輩と目を合わせてから会釈をすると、その人は何故か「おぼえてろよ」と言いながら走り去ってしまった。
『えっ?』
「美里ちゃん気にしなくていいよ、多分田中と似た感じの種族だから」
『はい!……え、種族?』
体育館の中に入ると、空気が一気にピリつくのを感じた。
学校じゃない施設の体育館……。
やっぱり、独特の雰囲気だな。