• テキストサイズ

【HQ】初恋に溺れて息ができない【影山飛雄】

第12章 いつもの夜


影山 side


『っ…きてくれて、ありがとう』



1人が怖くて、泣きじゃくる美里。一体これのどこが欠点のない完璧な人間だというのだろうか。



でも俺は、どんなにありえないと思っても、どんなに勘弁してくれと思っても、震えながらギュッと腕にしがみつく美里を見てしまえば、無碍にこの腕を振り払うことなんか出来やしなかった。


「………」


ふと枕元を見ると、先程俺が渡したアップルティーが未開封のままで置いてあった。

「さっきの、飲まなかったのかよ」

『…うん』

「なんで」

『のめなかった…』

「お前それ好きだろ?」

『…影山くんがくれたから、』

「は?」

『これをお守りにして、頑張ろうと思った…』

「……バカだな」


そんなことを言われて、どこかむず痒さを感じてしまう自分自身も、こいつと同じくらいバカではないかと自虐気味にため息をつく。

/ 642ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp