第11章 烏野排球部恒例GW合宿
「じゃあ、私行くから」
合宿所の玄関で、清水先輩が靴のつま先をコツンと地面に当てて振り返った。
「おう、明るい道通って帰れよ」
「気をつけてな!」
『…ドッキリじゃなくて、本当に行っちゃうんですね』
「はは、すげえ寂しそう」
「朝ごはん作るタイミングで来るから、明日は色々教えてね」
『わかりました、待ってます』
ガラガラ、と玄関の戸を閉めて清水先輩は帰っていった。
「鈴木、先風呂入るか?」
『え?』
「…なんか大地、今の聞き方ヤらしー」
「意識しないように言ったんだからやめなさいよ!…で、どうする?」
「お気遣いありがとうございます!でも私、明日の朝ごはんの準備をしたいので最後で大丈夫ですよ」
「そうか、わかった。じゃあ3年から風呂な!」
「「「オース」」」
みんなが部屋へ向かう中、私は先程の食堂へと戻った。