第11章 烏野排球部恒例GW合宿
「集合!」
「「「「オス!」」」」
「揃ってんな、4日後には音駒と練習試合。終わればすぐにIH予選がやってくる、時間がない。でもお前たちは穴だらけだ。勝つためにやることは一つ、練習、練習、練習。…ゲロ吐いてでもボールは拾え」
「「「「オーッス!!!」」」」
「じゃあ練習はじめ!…のまえに、なんかあんだろ?」
『?』
「鈴木さんのアレが届いたから…」
『アレ、ですか?』
「よーしお前ら、ジャージ着て並べ!」
澤村先輩の声を合図に、みんなが黒のジャージを纏った。そして背を向けて私の前に集まる。
「せーのっ!」
「「「ようこそ!烏野高校排球部へ!」」」
そう言いながら親指で背中の文字を指した。
『わ、』
さっき田中先輩に寒いんですかと聞いたら、いや暑いぜ?と返された理由がようやくわかった。
…みんな、このためにジャージを。
驚きのあまり私が立ち尽くしていると、清水先輩が袋に入った真新しいジャージを私に手渡した。
『…これ、わたしのですか?』
「うん、鈴木さんの」
『わっわっわっ…あっ……ああ、ありがとうございます!!』
「おー、ジャージか!」
『あ…コーチ、貴重なお時間をすみません!』
「いや、大事なことだろ。そんなことよりお前は着ねえの?」
『着てみたいです!』
ガサガサと袋を開けてジャージを広げる。
カッコイイ…これ、私のジャージなんだ!
腕を通してみると、ちょうどいいサイズだった。
「おっ!いいじゃん、超似合う!」
『ほ、ほんとですか!』
「うん、鈴木さん超似合ってるよ!」
『ありがとう日向くん!』
「黒もいいな、ノヤっさん」
「ああ、素材が際立つ。そして鈴木、俺たちとオソロだぜ」
『オソロ!……改めてみなさん、よろしくお願いします!』
私も、みんながしてくれたように背を向けてポーズを取ると、先輩たちがワッと声を上げて拍手をしてくれた。