第11章 烏野排球部恒例GW合宿
ついに放課後。
時間を追うごとに隣のツッキーの元気がなくなって、いよいよ終礼の時には机に突っ伏して動かなくなってしまった。
『しおれタンポポ…』
「じゃあバレー部、合宿頑張ってね!」
「ありがとう、案野さん!」
『案野さん旅行楽しんできてね!…ほら、ツッキーなにしてんの行くよ』
「…もう僕、案野さんと帰りたい」
「ははは…ツッキーは泊まりの行事、昔から嫌いだったもんね」
『そうなの?』
「…風呂は芋洗い状態だし、夜はプライバシーのない雑魚寝だし、こういう時の食事って美味しくないし…通いじゃいけない理由を教えて欲しいんだけど…」
「通いだと合宿にならないからじゃない?」
「うるさい山口」
「ごめんツッキー」
『まあまあ…お風呂と寝床は何も出来ないけど、食事は一生懸命頑張るからさ!』
「…は?マネージャーが作るの?」
『え?うん、そう言ってたよ?』
「清水先輩は置いといて、鈴木って料理出来なさそうだけど大丈夫?」
「ツッキーそれは思ってても言っちゃダメなやつ!」
『思っててもって!2人ともひどい!』
「あ、やべっ!」
『もう遅いわ!…でもツッキーが “食事が原因で帰ります” って言い出さないように頑張るからさ、楽しみにしててよ!』
「……期待はしないでおく」
「鈴木の手料理は楽しみだけど、塩と砂糖を間違えないように気をつけてね!」
『私に対する山口くんの評価って思ってたより低いね?』
「そ、そんなことないよ!」
私たちは教室を出て部室へと向かった。