• テキストサイズ

【HQ】初恋に溺れて息ができない【影山飛雄】

第11章 烏野排球部恒例GW合宿


影山 side

「…出た杵島!」
「影山のことになると、な」

「だって…影山くんは鈴木さんなんかいなくたってずっとバレー頑張ってきたの私知ってるから…!」

「はいはい」
「鈴木さんなんか、とかそれは嫉妬だろ」

「ち、違うよ!……男子に媚び売ってるところがちょっと気になるだけ…」

「媚び?」
「知らん」

「男バレのマネージャーだってさ…4組のバレー部の人と仲良いから決めただけで、バレーのこともろくに知らないって噂だよ。ちやほやされたいだけのマネなんて、真剣にやってる人にとっては迷惑じゃん…」

「いや…知らんけど、ちやほやは仕方なくね?だって鈴木さんだもん」
「ははは、たしかに!」


杵島さんの話に真実はひとつもない。あいつがそんな適当な理由で入部を決めていないことは俺が一番よく知っていた。それに、求められたこと以上の仕事をきちんとこなす美里に対して、迷惑だと感じている部員は一人もいないだろう。

だからこそ、杵島さんが何を思ってこんなことを言うのか、俺には全く理解が出来なかった。


「そ、それに…今日も体育着の件で影山くんに迷惑かけたくせにヘラヘラしてたし、なんかそういうの見てて嫌な気持ちになるっていうか」

「体育着のことは俺も悪いんで、迷惑かけたのは俺もッス」

「…え、」

「それにバレー部で鈴木さんに騒いでる人、もう一人もいないスよ」

「あ……あの」

「杵島さんが誰から聞いて、なんでそんなことを言うのか俺にはわからないっスけど、多分全部勘違いです」

「………」


「なんだよ影山!お前興味ないとか言って、鈴木さんのこと大切に思ってんじゃねーか!」

「ああ」


「え…っ影山くん?」



「…鈴木さんだからじゃなくて、他の誰だろうがマネージャーは普通に大切だろ。自分たちの部活をサポートしてもらってんだから」



「うわ…もっとマネ大切にしよ」
「俺も」
「まさか影山に気付かされるとはな…」


俺の肩をポンと叩くと、そいつらは自分の席に戻っていった。




「か……影山くん……あの、」

「ハイ?」

「ご…ごめん」

「何がっすか?」

「いや……なんでもない」

「?」


/ 642ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp