第11章 烏野排球部恒例GW合宿
影山 side
体育が終わり着替えて教室へ戻ると、1部の集団が何かに盛り上がっていた。
「あ!きたきた、影山」
「…なんだよ?」
「影山が鈴木さんの体育着を頭から被って匂い嗅いでたって話」
「はァ!?んなことしてねえだろ!」
「でも絶対いい匂いしたべ?」
「しねえ」
「ぜってえ嘘!鈴木さん、すれ違うといい匂いするし」
「嘘じゃねえ…ってか嗅いでねえ!」
「…でも実際さ、そこんとこどうなんすか?」
「なにが」
「鈴木さん、男バレのマネになったんだろ?あんな可愛い子が部活にいたらもうやばくない?」
「タオル渡されるだけでご褒美だし」
「放課後の部室であんなことやこんなこと…」
「「「やっべえ〜!」」」
「………興味ねえな」
こいつらの頭の中で美里がどう想像されているのか、少し考えてみただけでも気分が悪くなる。
「嘘つくなよ〜、影山!」
「どうせお前も鈴木さんのおかげで部活頑張れてるとこあんだろ」
「………」
「ねえ、もうやめなよ!影山くんが迷惑してるじゃん」
机をバンッと叩く音に振り返ると、声の主は後ろの席の杵島さんだった。