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【HQ】初恋に溺れて息ができない【影山飛雄】

第2章 白鳥沢受けることにした


『…っふふ……あの、すみません私が先に話しますね』

「…ああ」


『校門のところでお会いしましたよね?あの時はロードワークの邪魔をしてしまってすみませんでした』

「!……あれもキミだったか」

『も?』

「いや、俺の方こそスピードを出しすぎていたようで、ぶつかってしまって申し訳なかった」

『いえいえ、私が突っ立ってたのが悪かったんです!白鳥沢学園大きくて綺麗で、圧倒されちゃいました』

「…圧倒されたのは俺も同じだ」

『え?』

「先ほどのレシーブ、見事だった」

『…っ、え!?あの場にいらっしゃったんですか!?』

「いたもなにも、あのサーブを打ったのは俺だ」

『なんと』

「コントロール不足で申し訳ない」

『いえ、そんなことは』


サーブ、レシーブってことは、
あれ、バレーボールだったのか…!


「どこの中学だ?」

『北川第一です』

「…北川第一か。これほどのレシーブ力のある選手がいるならば、女子のほうもさぞ強豪なのだろうな」

『あの、それがもし部活の話だとしたら私はバレー部ではないですよ』

「…なんだって?」

『私、家庭科部なんです』

「…家庭科部」

『はい、料理やお菓子を作ったり、裁縫したりしてます』

「そう、なのか」

『あの、なんかすみません』

少しだけ寂しそうな顔をするものだから、思わず謝ってしまった。

「いや…バレーはやらないのか?」

『えっと、幼なじみがずっとバレーをやっていて、そのサポート程度なら…あ、でもそれくらいならやる内に入らないですかね?』

あはは、と笑うと、突然目の前の人から着信を報せるスマホのバイブ音が聞こえてきた。
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