第9章 “特殊”な私たち
清水先輩と私の声が見事にハモった。物事の説明もなしに突然本題に入った飛雄の背中をバシッと叩く。
『ちょっ…ちょちょ、あんたバッカじゃないの!?』
「んだよ、いてえな…それを話しに来たんだろうが」
『そうだよ!?そうだけど、いきなり本題ド真ん中から入るバカがどこにいんの!?ああここにいたか、そのバカここにいたか!』
「お前!バカって言う方がバカなんだぞ!」
『へえ、私がバカならあんたはなんなんだろうね!?なんでもかんでも物事には順序ってもんがあんでしょ!』
「じゃあホラ、さっさと話せよ」
『いやもう順序もへったくれもなくなったわ!………はっ』
武田先生と清水先輩の前だということをすっかり忘れて普段通りの言い合いをかましてしまった。私はそろりと2人の顔を見る。
「…実は僕、今の今までキミたちの関係性を聞いても全く想像することが出来なかったのですが、なるほど…たった今理解しました」
「…あ…あの、先生?」
「清水さん、こちらの2人は生まれた時からの幼なじみで、これまでずっと同じ家で暮らしてきたのだそうです」
「えっ…と」
このあと武田先生は、たくさんのハテナを頭に浮かべる清水先輩に分かりやすくしっかりと順を追って説明してくれた。