第9章 “特殊”な私たち
「『失礼します』」
「あ、どうぞどうぞ!古書が多いのでちょっと埃っぽくて…すみません」
中に入ると、清水先輩はまだのようだった。
『いえいえ!…武田先生、すみません貴重なお時間を』
「いいんですよ、気にしないでください。影山くん、詳細は昨日鈴木さんから聞いていますので安心してください」
「あ…ハイ、あざす」
少しすると、ノックが聞こえてきた。
「失礼します」
「はーい、どうぞ」
「えっ…影山、と鈴木さん?」
『こんにちは』
「ちわス」
「何かあったんですか?」
「とりあえずかけてください」
「…はい」
「どうしますか、2人から話せそうですか?」
『はい、まずはお2人とも貴重なお時間をすみません。今日は私と影山くんのことで清水先輩にお話しておきたいことがあり、この場を設けていただきました』
「…2人のこと?」
『はい、あの…実は』
「俺たち、一緒に住んでます」
『そうなんです、一緒に住んで……』
『「えぇっ!?」』