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【HQ】初恋に溺れて息ができない【影山飛雄】

第9章 “特殊”な私たち


そして昼休み。

スマホを確認すると〈わかった〉と一言返事がきていた。


「鈴木さん、お弁当食べよ!」

『あ、ごめん案野さん…私今日ちょっとお昼休みに用事があって…先に食べてて!』

「そっか、わかった!じゃあ先に食べちゃうね」



廊下に出てチラッと3組を覗くと飛雄はもういなかった。

「え…鈴木さん!?だ、誰探してますかっ!?」

『えっと……影山くん、いないですよね?』

「か、影山?…おい杵島ー!影山は?」

キジマと呼ばれた子はパッとその場で立ち上がった。

背が高い…何センチだろう。


「影山くんはチャイムと同時に出ていったけど、なんで?」

「いや…っ、その…鈴木さんが、」

そう言って男の子は私を見る。キジマさんも私に目線をやると一瞬驚いた顔をして少し気まずそうに会釈した。私もぺこりと頭を下げて、男の子にお礼を言い教室を離れる。


少しキジマさんの表情が気になったけど、そんなことよりも早く行かなくちゃ。



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