第8章 決意のスタートライン
湯船に浸かりながら、私は部活について考えていた。
私が中学で家庭科部に入ったのは、食材の栄養素や身体への影響を勉強できる場所だったから。結果的に、料理のバリエーションはもちろん、付帯的に裁縫やハンドメイド雑貨を作ることも出来るようになって、学びの多い3年間だった。
──飛雄の夢の先には私が絶対にいるから
そう宣言したからには、将来どの選択肢を選んでも自信を持てる自分でありたい。いずれ私たちは大人になる。時間は有限だと知っているからこそ、将来のためになることを少しでも多く学生時代に詰め込んでおきたかった。
バレー部のマネージャーになったら、私は何を学べるのだろうか。将来の自分にやってよかったと誇れる何かを得ることは出来るのだろうか。
今日の試合で思い知った。
飛雄は1分1秒ごとに進化している。
──俺は待たねぇぞ。
……ついてこいよ、必ず
ついていかなくては、
飛雄の夢の先へ。
止まっていられない。
負けていられない。
『……でも、あんな大口叩いて受験は落ちたよね?』
私は堪えきれずに笑った。