第7章 再会
「うぇえ腹減った…坂ノ下寄っていこうぜ!」
飛雄と田中さんと日向くんは、小さなお店に駆け込んで行った。なんかこういうの運動部っぽいな。少しするとお菓子みたいなものを持って3人が出てきた。
「それにしてもよー、あの優男のサーブすごかったなァ。最初からアレやられてたらやばかったぜ…さすが影山と同中の先輩、ってあれ?ていうか、影山ってなんで烏野にいるんだっけ?」
「…………」
「県内1の強豪つったらやっぱ白鳥沢だろ?」
「しらとり?」
「白鳥沢学園っつう県ではダントツ、全国でも必ず8強に食い込む強豪校があんだよ」
「ほーっ!」
「…落ちました、白鳥沢」
「落ちた!?」
「白鳥沢から推薦来なかったし、一般で受けて落ちたんです。試験が意味不明でした」
「あそこは普通に入ろうとしたら超難関だもんな…」
「へえーっ、王様勉強は大したことないんだネ〜」
「チッ」
「そういえばさ鈴木さんの満点入学って噂、マジなの?」
グレーの髪の先輩が私に話しかけた。
『…あぁ…えっと、そう、ですね』
「なんでそんな言いにくそうなんだよ〜、すげえべや!」
「もし俺なら自慢しまくる自信ある!」
『いや、ほんとたまたまなんですよ、たまたま自信あるところが出ただけで…』
「謙虚だなぁ」
「でもその学力ならウチじゃなくて、それこそ白鳥沢とか狙えたでしょ、きっと!」
『あはは、どうでしょうかね?』
「てか、まさかお前ら同中だったとはな」
お前らと括られたのはもちろん、私と飛雄。
チラッと目が合って、パッと逸らす。
「鈴木さんの存在、知らなかったですけどね」
「だからお前はそうやって」
『うん、私も全く知らなかったですよ』
「もうわかったって!」