第7章 再会
「鈴木さん、お疲れ様」
『清水先輩!お疲れ様でした』
「急にこんなことになっちゃって、ごめんね」
『いえいえ!あんなに間近でみなさんの試合を観ることができて、本当に貴重な体験をさせていただきました』
「どうだった?」
『すごく…』
「うん?」
『すごくかっこよかったです!』
「…ふふ、だって」
清水先輩が目を向けると、クールダウン中のみんなはパッと照れたように目を逸らした。
「さっき向こうの監督さんやコーチに、先生と挨拶に行ったんだけどね、鈴木さんのことすごく素質があるって言ってた」
『そ、そんな…お世辞を』
「ううん、ハッキリと教えてくれたよ」
『え?』
「どのセットに、誰が、誰との連携で、そのセットの何回目の攻撃に、どんなことをしたのか…こんなのマネージャーの私ですら覚えてない。きっと試合してる本人たちだってそうだよ。それを鈴木さんは覚えていて、しかもしっかり分析出来ていたって」
「し、清水…それマジ?」
「そんなことって…ありえんの?!」
「うん、それに本人も気づいていないようなちょっとした仕草とか表情も見抜いてたって」
「やば、鈴木さんすげえ…っ!」
『ちょっと…それは大袈裟ですって!!』
「鈴木ならありえそうなところが怖いよね」
『やめて、ツッキー!』
「…向こうの監督さんがね、また是非会いたいって」
『それは…とても、ありがたいお話です』