第7章 再会
烏野の集合がかかり、行きなさいと背中を押される。
頭を下げて、私は烏野メンバーの元へと走った。
飛雄を見ると、汗で髪が湿っていた。呼吸も僅かに上がって、シャツの胸元を掴んで汗を拭う。
『………』
そんな姿をこの距離で見ることができる日がくるとは本当に思わなかった。
すごかった。
とにかくすごかった。
飛雄が口癖のように話していた“セッターは司令塔”という言葉が、すんなりと心に入ってきた。飛雄は常に自分のコートと相手のコートを見ていて、どこにどんなボールが必要かを瞬時に判断していた。そんな司令塔からのトスは言わばスパイカーたちの道標。直接点を獲るポジションではないけれど、攻撃の主軸を担う紛れもない支配者だった。
「…根拠なんかないけど、きっとこれから、キミらは強く、強くなるんだな」
私も、本当にそう感じた。
──俺が思い通りのトスを上げられるようになればなるだけ、思い通りのバレーが出来なくなった
出来るよ、飛雄。
ここなら、きっと。
飛雄の思い通りのバレー、
ここならきっと叶えられるよ。