第4章 轟焦凍
もう1度学校へ戻り、外出許可をもらいに2人で相澤先生のいる職員室へ行った。
「昨日、俺のために作ってくれたみたいなんですけど失敗したみたいで」
と言わなくていい情報まで真面目につらつらと話す焦凍。
「コイツの手作りが食いたいんです」
もっと違う言い方があるだろうにどストレートそんな事を言うから隣にいる私まで恥ずかしくなっちゃう。
「アツイわね〜」
「Hey!!!カップルリスナー!!本命どころか、義理1つも貰えてねぇイレイザーにバレンタインの話はタブーーーー!!だぜぇ!!」
相澤先生の真向かいのデスクに座っていた、ミッナイ先生とマイク先生もこちらを見てニヤニヤしていた。
焦凍には申し訳ないけど、あまりにも私情すぎて許可は下りないだろうなと思う。
けれど真面目な焦凍が、淡々とそんな事を話す事に驚いたのか、熱烈さに根負けしたのか、相澤先生は渋々許可を出してくれた。
「おい、お2人さん」
職員室を出ようとしたところで、相澤先生に引き止められた。
「行事を楽しむ事はいい事だが、ハメを外しすぎないように」
意味ありげな笑いを浮かべた相澤先生。焦凍がまた要らぬ事を言うのではないかと思った私は、自分の顔に熱を感じながらも焦凍の手を取り会釈をして、材料を買いに行った。