第2章 出会い、非日常が日常へ
「アンドレ・キャメルです。稜華さん、今日から宜しくお願いします。」
『初めまして、キャメルさん。白鷹稜華です。宜しくお願いいたします』
⦅大柄で強面…⦆という稜華の考えを見抜いたのか
「こんな成りだけど、キャメルは繊細で優しい性格よ。車を出してほしい時はキャメルを呼ぶといいわ」
とジョディが口を挟む。
「いつでも呼んでください。任務がなければお供しますので。」
そう言ってキャメルは画面に自分の番号が表示されたスマホを差し出す。
『あ、ありがとうございます。アメリカは馴染みがないのでご一緒して頂けると心強いです』
稜華は差し出された電話番号を登録する。
「シュウもここにいると思ったんだけどどこに居るか知らない?」
「赤井さんなら資料室に篭もりきりですよ。休んだほうがいいと声はかけたのですが…」
「なるほど。待っていてもくるとは思えないし、こちらから行きましょうか」
『資料室ってことはお取り込み中ですよね。後からの方がいいのではないでしょうか?』
「大丈夫よ。シュウを待ってたら今日が終わっちゃうわよ」
「行きましょ」と部屋を出ていくジョディを追いかける稜華。
二人が部屋を出て少しの間を開けてキャメルが口を開く。
「あれが”鷹の目”、FBIのホークアイですか」
「その通り。超人レベルのハッキングスキルと射撃スキル。内側と外側、二刀流の鷹の目としてきっと活躍してくれる」
「射撃は赤井さんとどちらが…?」
「射撃スキルに関しては勿論赤井くんだな。ただ、射撃要員として迎えて居るんだが彼女はライフルよりもハンドガンが得意の様でね。ハンドガンだったら彼女の方が上手かもしれないな」
「それは…、自分も置いていかれない様に精進いたします…」
「キャメルくんのドライビングスキルは君にしかないものだよ。新しいチームの活躍が楽しみだね」