第2章 出会い、非日常が日常へ
カーテンの隙間から差し込む光で目が覚める。
その光を遮る様にブランケットを頭まで被る。
⦅結局あの後ハッキング完了して結果報告をまとめて終わったのが4:00過ぎだったっけな…⦆
時間を確認しようとスマホを手に取ると同時に着信が鳴る。
⦅ジョディさんからだ⦆
『おはようございます、白鷹です』
「Good morning、稜華。今どこにいる?」
『自分のオフィスにいます』
「まあ、もしかして徹夜?」
『いえ、報告書まで作成完了して先ほどまで仮眠してました』
「OK、ご苦労様。ジェイムズに連絡しておくから報告に向かえる様に準備しておいてくれる?」
『わかりました。連絡お願いします』
「任せて。報告が終わったらモーニングでも行きましょう。ご馳走するわ」
そう言い残し電話が切られる。
オフィスに備え付けられた洗面台で顔を洗い、身支度を進める。
『オフィスでも十分生活できちゃうし、着替えとかもう少し持ってきておこうかな』
ジャケットに袖を通しながらスマホを取り、ジョディに『カフェテリアにいます』とメッセージを送る。
カフェテリアに到着するといつも通りの暖かい光が差し込む雰囲気に何故かホッとし、カフェラテを作りに行く。
窓際の席でのんびり座っているだけで気持ちが浄化される様だった。
「Hi、稜華。お待たせ」
『ジョディさん、おはようございます』
「ジェイムズも今向かってるところみたい。私もコーヒーを取ってくるからもう少しゆっくりしましょう」
向かいの椅子に荷物を置いてカウンターへ向かうジョディ。
⦅ジョディさんって本当に気遣い屋さんだなぁ⦆
「ほぼ徹夜だったみたいね。ご苦労様。結果はどうだったの?」
『それって…、ここで話して大丈夫なんでしょうか?』
小声になる稜華を見て、「ちょこっとだけなら」と小声で返すジョディ。
『一応、直近サイバー犯罪が疑われる国は絞れました。3カ国、と言ったところです』
コソッとジョディに耳打ちをする稜華。
「なるほどね。規模にもよるだろうけど私たちにも任務が回ってくるかもね。ジェイムズが着いたみたい。続きはそこで聞こうかしら」
タタタッと返信を打ちながら立ち上がるジョディ。
稜華も立ち上がり、ジョディと共にジェイムズの部屋へ向かう。