第15章 太陽
その後、しばらくボーッとしている私を我に返らせたのは仁花からのメールだった。
[どこにいるの〜?]といった文から、いつも通り一緒に帰ろうとしてくれている仁花を置いてきてしまったことに気が付いた。慌てて返信した私は急いで下駄箱へと向かった。
下駄箱へ着くと、待ちくたびれた仁花は座り込んでおり、その姿はなんだか以前見たことがあった。
「ご、ごめん!仁花!!」
「ー!やっと会えたー!」
「ほんっとにごめんね!!」
「大丈夫だよ!教室見たらバッグなくて、でも上履きあったからどこかにいるんだなーって思って待ってた!」
へへっと笑う仁花の可愛らしい笑顔になんだかキュンとしてしまった。
帰り道を歩きながら仁花は私に言った。
「そういえば、何で今日教室にいなかったのー?」
それを聞かれた私はどこから話すべきなのかわからず、上手く言葉をまとめることが出来なかった。
「あー…、えーっと…、んんー…」
「??」
「じ、実は〜…」
首を傾げてこちらを見ている仁花に、隠しきれないと判断した私は昨日の教室での出来事から、今日の朝も影山くんが気まずそうな顔をしていたこと、辛くて教室にいれなくなったこと、全てを話した。
「…で、教室から飛び出しちゃったんだ」
内容を全て聞いた仁花は、「そんなことがあったんだ」と、悲しそうな顔をして、私の両手を握った。
「話してくれてありがとう。
とにかく、1日よく頑張った!!」
「ありがとぉぉ!!!」
そして私は続けた。
「でもね、良かったこともある!」
「?」
「太陽みたいな人とお友達になれたんだ〜!」
「太陽…?」そういい頭にハテナを浮かべている仁花に、私はニカッと笑って見せた。
辛いことだけではなかった。
新しいお友達ができたんだ。
辛いことを考えないように嬉しい思い出で頭を埋めつくした私は、太陽のような彼に心の中でお礼を言いながら帰り道を辿った。