第15章 太陽
「は、はい!」
咄嗟にそう答えると、オレンジ色の彼は「よかった〜〜」と胸を撫で下ろした。
私に怪我がないことを確認し安心した彼は、私の顔を見るなり目を大きくして叫んだ。
「あーー!!さんっ!?!!」
「え、あっはいっ!そうですっ!」
突然名前を言い当てられた私は、困惑しながらも返事をした。
「あ!おれ日向翔陽!1年!さんのこと知ってるよ!有名だもんっ!」
「ゆ、有名…?」
まさか、影山くんに関するあの噂がそんな遠くまで……
「うん!3組のさんがそ、その、か、かわいいって…」
恥ずかしさからか、だんだんと声を小さくして日向くんは言った。
自分で言い出したのにも関わらず顔を真っ赤にしている姿を見て、こちらまで顔が赤くなってしまった。
「そ、そ、そんな、滅相もございません!!」
少し恥ずかしかったが、あの噂が広まっているわけではないことに安心していると日向くんは私のバッグを指さして言った。
「あーーー!!バボちゃんだ!!!」
「えっ!知ってるのー?!」
バボちゃんを見つけて喜ぶ日向くんと一緒になって私も声色が明るくなった。
「うん!!バボちゃんグッズ色々持ってるよ!!」
「えーー!そうなんだ!!いいなぁ〜!」
そんな会話をしていると、日向くんは私に尋ねてきた。
「さん、バレー好きなの??」
バボちゃんは好きだが、バレー自体はやったことない私は頬を掻きながら答えた。
「ううん、バレーはやったことないんだ」
「そっかぁー」
日向くん、バレー好きなのかな?
そう思い尋ねようとすると、日向くんは急に大きな声をあげた。
「あ!!!!!!!」
突然の大声にびっくりした私は「うぇっ?!?!」なんて間抜けな声が出てしまった。
「おれ、部活行かなきゃ!!!」
「えっ!?」
「ごめん!もう行くね!!」
「う、うん!」
そう言って走り出した日向くんは、振り返って言った。
「ぶつかっちゃってゴメンね!!」
日向くんからの謝罪に、私は大きな声で返事をした。
「大丈夫だよ!部活頑張ってねー!」
それを聞いた日向くんは、「ありがとう!」と、手を振りながらあっという間にいなくなってしまった。
取り残された私は、ただポツンと日向くんのいなくなった廊下を眺めていた。